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02/27(金)

本場開催

オーミー!フォーユー!

オーミー!フォーユー!

令和8年、新年最初のオーミー・フォー・ユーは“お多賀さん”こと多賀大社をご案内いたします。出雲大社に始まり、全国各地にある由緒ある大社のひとつで、関西ではこちらの多賀大社、それに奈良の春日大社が有名です。ちなみに滋賀県内には近江神宮という由緒ある社もあり、このふたつが県内の初詣で大いににぎわう場所です。
湖東から西へ進んで多賀の地へ。今回は鉄道の旅。JR琵琶湖線で彦根駅に向かい、そこで近江鉄道本線に乗り換えて高宮駅。そこでさらに近江鉄道多賀線に乗り継ぎ、終着の多賀大社下車。列車の時間さえ事前に調べておけば、彦根駅から20分弱のローカル線列車旅となりますが、平日の昼間は1時間に1本の連絡となりますのでご注意ください。そして滋賀県内を旅していてつくづく思うのが、この近江鉄道の鉄道網。JR米原駅から彦根、近江八幡、八日市と結び、広い滋賀県の湖東を巡るのにホントに便利で、静かで、風情ある電車です。いつかこの近江鉄道旅を特集してみたいですね!!
という訳で、多賀大社前駅に到着です。

駅舎は小さいながらも改修され、中には売店や観光案内所があります。多賀大社周辺の観光マップや親切丁寧な無料の案内書も置かれていますので、是非ご利用ください。
駅舎を出てすぐ左手に大鳥居があり、そこをくぐり真っすぐに進むと多賀大社表参道絵馬通りと呼ばれる参道に突き当たります。左に曲がって真っすぐに道沿いを進めば多賀大社なのですが、角の小さなお洒落なカフェが目に止まり、早々と寄り道休憩を決め込みました。
“藝やcafe”さんです。カウンターとテーブル席にテラス席も備えた可愛らしいお店で、カフェメニュー以外にもランチタイムにはパスタセットやピザトーストセットもありますが、お勧めはやはりオリジナルのスイーツとのコンビ。お手頃な価格で、本格的な味を楽しみながら参道風景をぼんやりと見つめて時を過ごす。参詣前にお勧めのお店です。ただ、お店の方に伺うと初詣の三が日はものすごい人出になるのでご注意を!

こちらで早めの休憩を取り、お店の写真や参道の写真を撮りながら歩き出すと、お年寄りの男性が話しかけてこられました。地元の方で散策の最中であること。観光で来ましたとお伝えすると「このお店の建物は、昔はこの街でも有数の時計屋さんだったんですよ。昭和の初めから戦後にかけては、今では信じられんくらいに人通りが多かったです。駅を利用する人も、電車の数も今とは比べもんにならんくらい多かった。この参道にもいろんな業種の店がありましたよ」と当時を偲んで教えてくれました。そして、「この国の経済の礎となった近江商人(古来、近江の国から他国へ行商に渡り歩き財を成した商人の呼称で、高島商人、八幡商人、日野商人、湖東商人と呼ばれていたが、ここ多賀大社はその近郊に位置する。古くから商人の信仰が厚かった)が参拝し、今でも近江商人所縁の名だたる大企業からの支えは大きいんですよ」ともお話し頂けました。確かに流通大手に世界的大商社、薬品会社等々。“三方良し”(売り手良し、買い手良し、世間良し)の精神で商いを大きくし、支えられた近江商人のルーツとなるお社なのですね。
ということで、いよいよ多賀大社にお参りです。表参道絵馬通りを真っすぐに進むと、大鳥居に近づくにつれてお店がちらほらと見えてきます。

歩くこと10分ほどで駅前にそびえ立つ大鳥居とほぼ同じ大きさの鳥居前に到着です。さらに、ここをくぐると太閤橋。現在は渡ることはできませんが、豊臣秀吉が母である大政所の病気平癒の御礼にと奉納された1万石もの米を基に造られた橋だそうです。正面にはご神門があり、屋根は檜皮葺。その左右には江戸時代に造られたとされる築地塀が続きます。

御神門をくぐるといよいよ拝殿が目前に現れました。その背後には神楽殿、幣殿、そして本殿へと続く壮麗な社殿です。古事記にも記載のある1300年以上の歴史を持つ多賀大社は、室町時代より日本全土にその信仰が広まり、“お多賀さん”と呼ばれ現在に至ります。多賀大社のガイドによれば、ご祭神は伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)、伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)で、日本最初の男女夫婦の神様。最後にお産みになったとされる天照大神(あまてらすおおみかみ)が伊勢神宮のご祭神であることから、「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢、お多賀の子でござる」。そして「お伊勢七度、熊野へ三度、お多賀さまへは月参り」と、お伊勢さんをお参りになったらその後に多賀大社へと謳われています。中世からの信仰は現代にも引き継がれ、延命長寿、縁結び、厄除の神様として今に至る信仰が続いているのです。
広い境内には多くの社や文化財指定の建造物が建ち並び、じっくりとお参りや散策が楽しめます。拝殿で参拝の後は本殿に赴くもよし。商売繁盛の金咲稲荷神社へ参るもよし。少し歩いて日向神社、子安神社にお参りするもよしです。

この多賀大社の御利益のひとつと言えば先程も触れた“延命長寿”ですが、その長寿祈願で古くから信仰を集めるのが寿命石です。東大寺再建に奔走した鎌倉時代の高僧、重源が成就祈願と健康祈願のためにここ、多賀大社に参拝。その後20年を経て事を成し、80歳を超える長寿と大願成就への御礼の参拝の折に座り休息を取った後に深い眠りについたという伝説が残る石だそうです。拝殿前庭の東側にあるこの寿命石の周囲には、その長寿にあやかりたいという人々の願いがこもった小石がたくさん並べられています。

さて、到着するや否やカフェで休憩を取りました(-ω-)/ が、しかし腹が空いてきましたので、この辺で食事休憩をということで、今回の参拝で一番の目的(;^ω^)であった寿命そばをいただきに参ります。
多賀大社境内の参集殿1階にあるそば処“寿命そば”にお邪魔しました。夏場であれば涼しげな冷やしそば系でざるそばや冷やしおろしそばがお勧めですが、肌寒い冬場には温かい汁そば!!ということで、季節物の鮎そばと柚子香る焦がし油揚げそばをいただきました。鰹出汁の濃い目の汁にやわらかく仕上げた鮎の甘露煮をトッピングした鮎そばは、この地方の地産地消。多賀の風情を感じさせる、ほのぼのとしたお味。焦がし揚げの香ばしさが出汁に溶け込んだ油揚げそばも、ほんのり身体を温めてくれる懐かしいお味でした。お腹に余裕のある方には多賀産卵を使った卵かけご飯。この時期限定のあさりご飯もお勧めです。是非、ご賞味あれ!!!

そのほかにも表参道絵馬通りの大鳥居前には、多賀名物の糸切餅を扱う和菓子屋さんに、うどん屋、カレーショップ、カフェ、定食屋に鰻屋に近江牛のお店も。鳥居横の交差点を渡った先には地酒と鮒寿司、佃煮の老舗の大津屋さん。色々なお店が軒を並べています。

古くからの近江の信仰の里、多賀大社。静かに佇む社は湖東三山同様に静かで温かなひと時を満喫させてくれます。秋は紅葉の名勝。春は桜の美しい境内。季節ごとの魅力を楽しめる里に是非とも遠方からお訪ねください。

バックナンバー

No. 発行日 タイトル
第37回2026/02/12お多賀さん・多賀大社編
No. 発行日 タイトル
第31回2024/10/30堅田・浮御堂編
第30回2024/06/25三井寺
第29回2024/02/06石山寺
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第28回2023/12/04今話題の『かき氷』
第27回2023/09/08沖島
第26回2023/06/05八幡山城跡
第25回2023/03/15佐竹恒彦選手のお勧めスポット紹介
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第19回2021/11/10姉川周辺から小谷城跡
第18回2021/08/25大溝城跡探訪
第17回2021/03/01安土城跡探訪
第16回2021/01/29長浜歴史旅
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第15回2020/12/31坂本歴史旅2
第14回2020/10/30坂本歴史旅
第13回2020/01/24【4828 松山将吾】信楽